「デジタルは、既にノスタルジックな要素としてデザインに取り入れられている。」
前回のブログでは「カラー編」として、デジタルで育った世代には新しさと同時に、懐かしささえ感じる「乾いた、強い発色」のデジタルカラーのトレンドに注目した。
今回は、フォルムを通じてノスタルジックなデジタルの世界を考察してみることにする。
昨年、スーパーマリオ誕生25周年を記念して「Nintendo Wii」用のスペシャルソフトが発売されたのをご存知の方も多いと思う。
「スーパーマリオコレクション スペシャルパック」(リンク)
なんといっても驚くのは、あれから25年経ったのか!という事。
当時夢中になった10代の子供が、今やアラフォー。
この世代にとって「子供の頃の懐かしい記憶」は、既にデジタルによるモノなのだ。
「いかにもデジタルで作られた」粗いポリゴンで構成されたキャラクターを、最新のゲームマシンを使い、ハイビジョンテレビで再現する事に喜びを感じる、なんとも不条理?な価値。
技術屋は一生懸命解像度を上げ、3D表現をし「デジタルを感じさせないように」してきたのに、一方で「クラシック」な表現が求められるというジレンマ。
そんな不条理さを楽しむような価値が、デザインの世界に広がりつつある。
今年のミラノサローネで多くのデザイナーがトライしていた「粗いポリゴン」での立体表現。
特に光の反射でポリゴン形状を強調した照明器具が同時発生的に登場したのは興味深い。




また、照明以外でもポリゴン的な立体表現は多い。



昔のパソコンがバグってエラー出力したようなモチーフ。


子供が描くような「デジタル回線」のモチーフや、LEDを使いながら、水銀灯のような照明。


いかに歪の無い、滑らかな面を作れるか、
いかに小さく、薄い光源を作れるか、
バグの無い、完璧な出力を安定的に・・・。
デジタル技術を駆使して追い求めてきた「技術本位」の欲求は、
もしかしたら人間の本当の気持ちを忘れているのかもしれない。
デジタルで不完全なモノを作る。
それは、今までの「ハンドメイド」の温かいクラフトに替わる、デジタル世代にとって「ちょうどいい」クラフト感覚なのかもしれない。

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